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決算で行う節税対策。買掛金、未払金、未払費用を計上しよう

領収書

事業年度の末日現在、まだ支払っていない仕入代金や経費についても、既に納品されているものや提供を受け終わったサービスなどについては、その事業年度の損金に計上することができます。

※損金とは?

法人税の計算上の費用のこと。損金が増えれば課税所得は減り、法人税の額も小さくなります。

 

これらの仕入や費用については、会計ソフト上は、「買掛金」「未払金」「未払費用」を相手科目として計上することになります。

代金を支払っていなくても、「モノの受け渡し」や「サービスの提供」が終わっていれば、会計上も税法上も、費用計上してもOKなルールとなっています。

 

※この記事は、投稿日時点での法律・状況等に基づき執筆しています。

買掛金を計上しよう

「買掛金(かいかけきん)」も「未払金(みばらいきん)」も「未払費用(みばらいひよう)」も、未だに代金を支払っていないが損金計上済みの債務のことをいいます。

ここでは詳しい説明は割愛しますが、状況によってどの科目を使うが変わってきます。

「買掛金」として計上すべきものとしては、次のようなものがあります。

仕入高

仕入高とは、商品や材料の仕入れにかかった費用のことをいいます。

支払いがまだされていなくても、納品済みの請求書については、その金額を買掛金として未払計上します。

また、仕入先の業者が締め日を25日に設定しているような場合、決算月の26日〜31日の6日間分については、翌月の請求となってしまいます。

この場合でも、26日〜31日分の仕入高については、買掛金として未払計上することができます。

6日分の代金を納品書などからひろって、間違いなく計上しましょう。

外注費

外注費とは、業務委託の費用や下請け業者などに対する費用のことをいいます。

買掛金の計上に対する考え方は、仕入高と同じです。

 

未払金を計上しよう

「未払金」として計上すべきものとしては、次のようなものがあります。

決算賞与

通常の賞与は、実際に支払った日の属する事業年度の損金となりますが、決算賞与については、一定の条件を満たせば、未払い計上が可能となります。

実際の従業員への支給は、翌期の最初の月の月末まででOKです。

例えば、3月決算法人であれば、4/30までに支払うことになります。

決算賞与。従業員への賞与が未払計上できます【法人の節税】
通常の賞与は、実際に支払った日の属する事業年度の損金となりますが、決算賞与については、一定の条件を満たせば、未払い計上が可能となります。

未納の税金

まだ支払っていない税金でも、ほとんどの場合は未払金として損金計上が可能です。

一般的なものとしては、次のようなものがあげられます。

消費税

「税込経理」を選択している場合は、その事業年度の消費税を未払計上することができます。

(「税抜経理」の場合は、そのようなことをしなくても、自動的に消費税は損金計上されます)

不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税

税額をお知らせする「通知書」が届いた事業年度において、未払計上が可能です。

手元にあるまだ支払っていない納付書に記載されている税額を未払計上しましょう。

利子税、延滞金

その事業年度に対応するもので、未納のものは未払計上することができます。

社会保険料

社会保険とは、健康保険と厚生年金のことをいいます。

社会保険は、当月分を翌月に支払うルールとなっているため、決算月の分は翌事業年度の支払いとなります。

そのため、決算月の分は未払計上する必要があります。

社会保険料は給与から天引きされた従業員負担分もあるため、それを除いた会社負担分のみを未払計上します。

労働保険料

労働保険とは、労災保険と雇用保険のことをいいます。

労働保険料の算定は、その年の4/1から翌年の3/31までの保険料を概算で計算し、その年の6/1〜7/10の間に申告・納付するものとなっています。

あくまで概算での計算ですので、当然本来の保険料とは誤差が出てきます。

その誤差(不足額または超過額)の部分は、翌年の6/1〜7/10の申告・納付時に精算することとなります。

したがって、決算月が3月、4月、5月、6月の法人であれば、不足額の未払計上を検討してみましょう。

 

なぜ、決算月が3月、4月、5月、6月の法人でなければいけないのか?

それは、労働保険料の計算が4/1〜3/31までの給与をもとに計算されるためです。

(超過額については、申告した事業年度の益金でOKです)

 

未払費用を計上しよう

「未払費用」として計上すべきものとしては、次のようなものがあります。

支払利息

借入金の支払利息も、未払計上できるケースがあります。

例えば、返済日が毎月15日であれば、決算月の16日から末日までの期間に対する利息については、当然当期の費用となるため、未払計上することができます。

ただし、これは利息の支払いが、「後払い方式」であることが条件となります。

従業員に対する給料

給与の計算には締日があり、その締日や支払日がいつかによって未払計上する金額は変わってきます。

例えば、

水道光熱費(電気、ガス、水道)、通信費(携帯電話、固定電話、インターネット)

実際の支払いが翌月となるようなこれらの経費を、未払計上します。

 

最後に

基本中の基本ではありますが、決算の際は、未払の費用を漏れなく計上しましょう。

 

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