正社員・契約社員・パート・アルバイトの方でも、確定申告をしたほうがよいケースがあります。
今回は、そんな日頃は確定申告とはあまり関係のない方々のための、確定申告において用意すべき書類や、その流れについての解説です。
まずは、一連の流れをつかんでみていただければ。
給与所得者でも確定申告したほうがよいケース
正社員・契約社員・パート・アルバイトなど、給料による収入がある人を「給与所得者(きゅうよしょとくしゃ)」といいます。
通常、給与所得者は「年末調整(ねんまつちょうせい)」を会社でやってもらえるため、確定申告は必要ありません。
「年末調整」とは、会社が自分のかわりに確定申告をやってくれているものとイメージしてもらえれば、わかりやすいと思います。
しかし、次のようなケースでは、確定申告をしたほうが税金的にお得な可能性が高いです。
- 住宅を購入したので、住宅ローン控除の申請をする
- 前職分の源泉徴収票を手に入れるのが遅くなったため、途中入社した会社で年末調整をしてもらえなかった
- 年の途中で退職し、その後再就職していないため、年末調整をしてもらっていない
- 入院や出産などで医療費が結構かかった など
確定申告をしなければならないというケースもあります。
それは、
- 給料が年間で2,000万円を超えている人
- 給料以外の所得が20万円を超える人(所得とは、収入から経費を差し引いた金額をいいます)
などのようなケースです。
確定申告書をつくる
給与所得者が確定申告をするとなった場合、用意すべき書類としては、次のとおりです。
- 源泉徴収票
- 国民年金の控除証明書
- 支払った国民健康保険の金額がわかるもの(口座振替で支払っていれば通帳、現金で支払っていれば領収書)
- 生命保険の控除証明書(年末調整のとき、会社に提出していれば不要)
- 地震保険の控除証明書(年末調整のとき、会社に提出していれば不要)
- 病院や薬局の領収書(医療費控除に使います)
なお、国民年金や国民健康保険については、その支払いがないのであれば、もちろん不要です。
書類がそろったら、次にやるべきことは、
- 国民健康保険の金額を集計する
- 病院や薬局の領収書を、受診した人ごと、病院や薬局ごとに集計する
という集計作業です。
これらは、「所得控除」という項目を計算するための作業です。
所得控除の金額が大きいほうが、戻ってくる税金も大きくなりますので、もれがないように集計しましょう。
住宅ローン控除を受けるために必要な書類
- 借入金の年末残高証明書(銀行から送られてくる書類です)
- 土地・建物の登記事項証明書
- 請負契約書のコピー
- 売買契約書のコピー など
住宅ローン控除を受けるための手続きについては、これらの書類を確定申告書といっしょに税務署に提出する必要があります。
国税庁ウェブサイト内の『確定申告書等作成コーナー』が便利
各書類を準備し、集計すべきものを集計したら、その金額を申告書に落とし込んでいきます。
税務署で紙の申告書を入手して、手書きで申告書をつくってももちろんいいのですが、『確定申告書等作成コーナー』という国税庁がつくっているウェブサイトを利用したほうが便利です。
各書類の数字や自分で集計した数字を指示通りに入力していけば、確定申告書ができあがります。
確定申告書を提出する
『確定申告書等作成コーナー』に個人情報や各数字を入力し、確定申告書が完成しました!
次はいよいよ、確定申告書を税務署に提出です。
提出方法は、次の3つ。
- プリントアウトして郵送
- プリントアウトして税務署に持っていく
- 電子申告
来年以降も確定申告をするのであれば、電子申告にトライしてもよいでしょう。
そうでないのであれば、1の「プリントアウトで郵送」が楽です。
税務署の確定申告書を郵送しよう
『確定申告書等作成コーナー』からプリントアウトすれば、「提出用」と「控え用」の確定申告書がプリントアウトされます。
- 提出用の確定申告書
- 控え用の確定申告書
- 源泉徴収票や控除証明書、住宅ローン控除を受けるために必要な書類など
- 切手を貼った返信用封筒(宛名に自分の住所も書いておきましょう)
を封筒に入れて、お住まいの住所を管轄する税務署に郵送しましょう。
後日、税務署の受付印が押された控え用の確定申告書が、同封した返信用封筒に入って戻ってきます。
いつまでに提出すればいい?
提出期限は、3/15(2018年分の確定申告書であれば、2019年3月15日)です。
しかし、還付申告(税金が戻ってくる申告)なので、遅れても罰金のようなものはありません。
ちなみに、還付申告は5年間さかのぼってすることができます。
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